令和5年(2023年)度の構造設計一級建築士の修了考査が11月5日(日)に行われました。
私は、令和5年にはじめて構造一級の修了考査を受けました。
受講の申し込みをしてから早い段階で勉強を始めましたが、過去問だけでは補いきれなかった問題もあり、
難しかった!来年も勉強をしないといけない可能性が高いか……
というのが修了考査後の感想です。
結果は令和6年1月29日に発表されました。
- 法適合確認:合格
- 構造設計:不合格
ということで、今年も構造設計一級建築士を受けるための勉強は続きます。
結果を見たときの感想は、
そうですよね!
法適合はできたけど、構造設計は難しかった!
といった感じで、試験時の手ごたえ通りの結果。
独学で受けてみてわかったことは、
- 法適合確認は独学でも合格できる
- 構造設計は予備校に頼らないと難しい
ということ。そのため、今年は総合資格の「令和6年度 構造設計1級建築士WEB講座 構造設計コース」を受講することにしました。
しかし、独学で構造設計一級建築士に合格する人はもちろんいます。
この記事では、構造一級の修了考査を受けた時の感想や、独学で取り組んだ勉強方法を紹介します。
これから構造一級を取りたいと考えている人は参考にしてね!
- 30代 男性 会社員
- 一級建築士
- 2023年 構造一級の修了考査を受講(結果待ち)
構造設計一級建築士は難しい?修了考査を受けた感想
- 構造設計一級建築士を受けた感想。難易度は?
- 過去問以外の新しい問題が出た
構造設計一級建築士を受けた感想。難易度は?
構造一級を受けたことのない人が気になるのは、修了考査の難易度でしょう。
私は「難しかった」と思いますが、難易度の感じ方は人によって変わります。
構造一級を受けるには、一級建築士の資格を取って5年間の実務経験が必要です。
ですが、実務経験5年の人と10年の人では経験値が大きく異なります。
試験が簡単だと感じる人
- 構造設計の経験が10年以上ある人
- RC造、S造、木造すべての構造の設計経験がある人
- 一貫構造計算の経験がある人
試験が難しいと感じる人
- 構造設計の経験が5年程度の人
- 特定の構造の設計しか経験していない人
- 普段の業務で一貫構造プログラムを使わない人
構造一級はRC造、S造、木造すべての構造に関する問題がでるよ!
それだけじゃなく、基礎や免震・制振など構造設計者には欠かせない幅広い知識の習得が必要!
ちなみに、構造一級を受けるまでの筆者の経歴は以下です。
- ゼネコン(現場監督):2年
- 構造設計事務所:5年
- プラント設計(建築設計、主に構造):5年
純粋に設計事務所で構造設計をしていたのは5年間です。
そんな私にとって、構造一級は難しい試験でした。
過去問には無い新しい問題が出た
私は過去問5年間分を勉強しましたが、5年分の過去問では出ていない問題もありました。
それでもいくつかの問題は見たことある問題だったので、過去問を繰り返し解いた効果はあったと言えます。
また、新しい問題が出たと言っても、似たような問題は過去にも出題されているため、応用ができれば全くわからないということもありません。
試験対策としては、日々の業務であたり前のように使っている計算式の成り立ちについて、もっと掘り下げて考えてみる必要があると思いました。
独学での勉強方法
独学で構造一級の資格を取るためにできることは以下です。
- JSCAの過去問5年分をひたすら繰り返す
- 構造力学の基礎の復習
- ユニオンシステムの対策セミナーを受ける
JSCAの過去問5年分をひたすら繰り返す
私は一般社団法人 日本建築構造技術者協会(JSCA)で販売している過去問5年間分を購入しました。
この過去問をひたすら解くだけでもかなり力が付きます。
私が知る限り、総合資格や日建学院に通う以外でこれだけの過去問を手に入れる方法はありません。
過去5年間分だけでなく、それより前の問題も各年ごとに販売しているので、より多く過去問を解きたい人はJSCAから購入しましょう。
(平成30~令和4年度)
5,000円【個人会員(正・一般・学術・名誉・学生)】
6,000円【賛助会員・非会員】
(平成25~平成29年度)
各1,200円【個人会員(正・一般・学術・名誉・学生)】
各1,400円【賛助会員・非会員】
構造力学の基礎を復習する
業務で構造計算を行っているとはいえ、一貫構造計算プログラムに頼っていると手計算の方法を忘れてしまっている人は多いでしょう。
また、計算式の成り立ちを考え「なぜそうなるか」がわかっていないと高度な計算はできません。
そこでおすすめなのが、「ゼロからはじめる「構造力学」演習/原口 秀昭」です。
原口先生はYouTubeでも問題の解説をしてくれているので、基礎の復習にはピッタリです。
ユニオンシステムの対策セミナーを受ける
一貫構造計算ソフト「SS7」を提供しているユニオンシステム(株)は、構造一級対策セミナーを毎年開催しています。
2023年(令和5年)は会場参加とリモート参加、両方選べました。
おそらく、2024年以降も同様に開催してくれると思います。
特に初めて修了考査を受ける人は勉強方法がわからないと思うので、ぜひ参加することをオススメします。
インデックスは色分けするのがおすすめ
一年前に構造一級を受けた上司からテキストを見せてもらうと、カラーのインデックスが貼ってありました。
上司は総合資格で勉強したとのこと。
私も上司を真似して6色のインデックスを購入。
RC造、S造、木造、基礎など、自分がわかりやすいように構造別に色分けしてインデックスを貼ると、探したい項目が一目でわかります。
勉強場所は図書館がおすすめ
「自宅ではどうしても集中して勉強できない」という方には図書館がおすすめ。
図書館は周りにも勉強している人が多く、「自分も頑張ろう!」という気持ちになります。
環境としてもカフェより静かで、基本的に聞こえるのは
- 本をめくる音
- ペンで文字を書く音
- パソコンのタッチ音
だけなので、試験会場の環境に近い空間と言えるでしょう。
たまに聞こえる子供の話し声や泣き声もいいBGMです!
試験用に購入したもの、便利なもの
試験用に購入したもの、これがあれば便利!と思ったものを紹介します。
建築物の構造関係技術基準解説書
建築物の構造関係技術基準解説書(通称:黄色本)は試験のためではなく元々持っていたものですが、構造一級の修了考査を受けるには必須の資料です。
持っていない人は購入しておきましょう。
関数電卓
構造設計者は関数電卓を業務で使っている方が多いはずなので、それを使うのもいいのですが、それを毎日持ち帰るという人は少ないでしょう。
なので、勉強用に1つ関数電卓を購入することをおすすめします。
高性能なものは不要なので、最低限の機能がついたものを購入しましょう。
腕時計
腕時計は構造一級に限らず、どの試験でも必須アイテムです。
私がおすすめするのはカシオのデジタル腕時計。
ストップウォッチ機能が付いているので、試験開始と同時に時間をはかれば、「3時間のうち今どれだけ時間が経ったか」が一目でわかるのでオススメです。
チープカシオの名称で親しまれるカシオの腕時計は、普段使いもしやすいデザインだよ!
シャーペン
筆記用具は正直なんでもいいのですが、強いて言えば文字を書き続けても疲れないシャーペンをおすすめします。
構造一級では4肢択一問題は不適切な理由を、記述式問題は計算式や文字を書く必要があります。
途中で休憩があるとはいえ、6時間ペンを握るのはかなり疲れます。
一級建築士を受けた時に使用した製図用のシャーペンを使うのが、お金もかからなくて一番いい選択だと思います。
ダイソーの書類ケース(A4サイズ)
テキストを持ち運ぶときに役立つのがダイソーの書類ケースです。
黄色本やテキストをカバンに入れても、インデックスが折れ曲がるのを防いでくれます。
私は厚みのあるクリアケース200円、ケースが開かないよう止めておくためのバンド100円、合計300円で購入しました。
まとめ
一級建築士の資格を取得して5年、まじめに勉強をしたのは久しぶりです。
おそらく資格のためにこれだけ必死に勉強するのは構造一級が最後でしょう。
令和6年の試験日程はまだ未公表ですが、11月にまたあるはずなので、徐々に勉強していこうと思います。
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