14歳の栞という映画を観ました。
2021年にこの映画の存在を知りましたが、機会がなくて観れていませんでした。
2022年1月14日〜20日まで、期間限定ですが福山駅前シネマモードで上映されるということで、観てきました。
- ドキュメンタリー映画が好き
- 誰にも言えない悩みを抱えている学生
- 青春を感じられる映画が観たい

- 30代 男性 会社員 広島県在住
- 一級建築士
- 2021年4月からブログ開始
- 好きな映画はMARVEL、アラジンetc
14歳の栞
学校が、世界のすべてだった頃。
あの頃、一度も話さなかったあの人は、何を考えていたんだろう。
https://14-shiori.com/
「14歳の栞」は、とある中学校の2年6組、35人の学校生活を切り取った映画です。
時期は3学期。この映画には主人公はいません。
中学校での授業の様子や休み時間、帰宅風景などが流れる中、35人全員の短いインタビューがはさまれ、それぞれの人柄がわかります。
運動部も文化部も帰宅部もいて、普通に日常を過ごしている14歳の子供たちです。
中学校2年生のこの時期は、小学校から中学校に上がって希望や不安に満ちていた1年生の時期ではなく、高校受験を控えて勉強に忙しい時期でもない。
学校にたくさん友達も出来て、部活をしている子はそれに打ち込んで、帰宅部の子も自分の好きな事を自由に楽しめる時期だと思います。
勉強も運動も恋愛も、悩みを抱えながらも一生懸命に、平凡に生きる14歳の姿が観られます。
感想
この映画の予告を観たときは、これは絶対感動するやつだ!と思ってすごく期待をしていました。
しかし、この期待はいい意味で裏切られました。
ドキュメンタリーなので当然ながらシナリオはなく、映画の終わり方もハッピーエンドでもバッドエンドでもないです。
でも、ただ言えることは、「この映画に出会えてよかった」ということ。
私は現在34歳。自分が14歳の頃ってどんな感じだったかなーと思い返しながら映画を観ました。
映画を観る前は、14歳ってまだまだ子供だよなーと思っていました。
しかし映画を見てみると、将来はこんなことをしたいと明確なビジョンを持っていたり、客観的に自分を見れていたり、思っていたより大人なんだなと感じました。
とはいえ、みんながみんな大人ではなく、ひねくれていたり、将来どうなりたいかなんてわからなかったり、子供っぽい可愛いところもたくさんありました。
14歳は、子供から大人に成長する狭間の時期なんだと思います。
クラスの全員にインタビューしているのがとてもよかったです。
クラスは35人いるので短いインタビューですが、その短い中でもそれぞれのキャラクターが伝わってきます。
クラスの中心にいる明るい子は、楽しいクラス・学校生活にするためにふざけている。
周りをイジっている子も、友達を作るきっかけとしてイジりを意識的にやっていて、深追いはしない。
暗めで地味そうな子も、もう少し明るくなりたいなと思っていたりする。
思春期だからなのか、卑屈になって、自分のことが嫌いだと言う子もいる。
早く大人になりたい子もいれば、勉強もしたくないから赤ちゃんに戻りたいと思っている子もいる。
運動部や文化部で部活を頑張っている子もいれば、ゲームが大好きでそのことばかり考えていたり、学校では披露することのない意外な特技を持っている子もいる。
当然誰かを好きになるし、それを友達にからかわれたりもする。
青春という言葉がぴったりな時期だなと思い、ニヤニヤしながら映画を観てる時間が多かったです。
まさに十人十色で、この映画がなければ、誰が何を得意かなんて知らないクラスメイトもいたでしょう。
「自分」の物語の主人公は、運動ができなくても、勉強ができなくても、絵が上手じゃなくても、何か一つ得意なことがあれば、それを突き詰めて伸ばしていけばいいと思います。
映画鑑賞後には、この映画に出ている子供たちみんなの将来が、明るいものであることを願いたくなります。
そのためにも私たちのような大人が明日から、今日から、自分のために、後輩のために、できることをできる範囲でやっていきたいと思えました。
こんな人におすすめ
- ゆったりした映画を観たい
- ドキュメンタリーが好き
- 小学校高学年〜高校生くらいで悩みのある方
- クリープハイプが好き
こうゆうドキュメンタリー映画で、特に話に起伏のない映画は、大人が休日なんかにゆっくり観るだけの作品のように思っていました。
しかし観終わってから思ったのは、小学校高学年から高校生くらいで、今まさに学校という世界で生きづらさを感じていたり、誰にも話せない悩みを持っている子供たちにも届いてほしい作品だと思いました。
学校では明るくて何も悩みの無いような子も、本当は心に秘めた悩みがあったり、周りの友だちのことを考えた接し方をしていたりします。
地味でクラスに溶け込めていないような子も、本当はもっと明るくなりたいなと思っていたり、家ではすごく明るく話していたりする。
今抱えている悩みは世界中で自分一人だけではなく、みんなそれぞれ似たような悩みを持っています。
自分のこれまでの経験では思いもよらなかったことを考えていたりもします。
みんな同じように悩んでいること、もしくはそこまで深く考えなくてもいいかもとわかれば、心は軽くなるんじゃないかなと思います。
学校が世界の全てではない
学校に通っている時は、その世界が全てだと思い込んでいる子供たちは多いと思いますが、本当はそうではないです。
世の中には知らないことがたくさんあって、体験したことはないけどやってみたら楽しいこと、意外と自分に向いてることがたくさんあります。
学校に行くのが辛いなら、家で、学校以外の場所で、やりたいことをやればいいと思います。
生きていく場所は学校だけじゃないし、会社だけでもないし、日本だけでもない。
今はネット社会で、知りたい情報はインターネットでなんでも手に入ります。
やりたいことがあるなら何でも調べてみましょう。
悩みを抱えている人も、そこから一度出るという選択肢を一度考えてみてほしいなと思います。
クリープハイプの「栞」
エンドロールで流れる曲はクリープハイプの栞という曲です。
青春!という感じのメロディと歌詞。
この映画にぴったりの曲で、観終わったあとの爽やかで温かな感覚はこの曲のおかげもあると思いました。
まとめ
中学2年生、14歳35人の学校生活がただ流れるだけの映画です。
14歳は子供から大人へと成長していく時期。映画を観る前は14歳なんてまだまだ子供だと思ってましたが、みんなしっかりと自分の考えを持っていて、客観的に自分を観れていたりします。
意外と大人なんだなと、すごく感心しました。
この映画に過度な期待はしないでください。
でも観終わったあと、希望の光というか、温かい気持ちを抱く人は多いと思います。
あの頃の自分を思い出し、過去の自分に恥じないようまた明日から頑張ろうと思えます。
DVD化されるかは不明ですが、出来るだけ多くの大人、悩みを抱える子供達に届いてほしい映画だと思いました。
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